大規模修繕工事サポート

1.大規模修繕工事の考え方

(1)計画修繕工事の定義

計画修繕工事は、一般的に、劣化損傷した屋上や外壁等の建物の部位の性能・機能を、原状又は実用上支障のない状態までに回復させるための修繕が主ですが、経年等に伴い、必要に応じて性能や機能を向上させる、すなわち「改良」を含めた改修工事も行われています。

計画修繕工事は、長期修繕工事に基いて計画的に実施する修繕工事及び改修工事の総称であり大規模修繕工事は、計画修繕工事の中で特に建物全体または複数の部位について行う大規模な計画修繕工事のことを言います。

大規模修繕工事の施工時期については、あらかじめ長期修繕計画に盛り込まれているのが常であり、概ね建築物の主要構造部(屋根・壁・柱・梁・床・階段等)の修繕周期とあわせ10~15年程度の周期で実施する場合が多いようです。

(2)計画修繕の目的

1.事故防止
  例.コンクリート片・タイルの剥落・手摺の腐食落下など
2.不具合箇所の解消及び予防
  例.雨漏り・赤水・排水不良・漏水など
3.耐久性向上
  例.躯体・鉄部など
4.美観・快適性の向上
  例.塗装など
5.居住性・機能性の向上
  例.耐震性・断熱性の向上・バリアフリー化・共用電気幹線容量増大など
6.資産価値の向上
  例.居住価値・使用価値の向上
  などがあげられます。

(3)計画修繕工事の特徴

計画修繕工事は、マンションの建物や設備の工事を大勢の人が居住をするなか行いますので、(居抜き工事といいます)工事に当たっては区分所有者等(区分所有者・賃借人)の安全や生活に十分配慮する必要があります。

管理組合から区分所有者に対して、調査・診断、修繕基本計画、修繕設計、工事の施工など進捗に応じて、その目的、現在の実施状況、今後の予定、日常生活の影響と対策について、理事会や大規模修繕工事専門委員会の検討過程を含めて、十分な情報提供と説明を行い、区分所有者等の理解と協力を得ることが不可欠です。

具体的には、必要に応じて報告会や説明会を開催して、意見交換や質疑応答を行い、意見や要望を反映できるようにします。そのほかには、計画修繕工事の専用掲示スペースを設け情報を掲示したり、専用広報誌を発行し全戸に配布するなどが考えられます。
但し、注意したいのが、区分所有者等の生活を優先するあまり、施工方法や作業時間などを過度に制約すると工事費の増加につながりますので、うまくバランスを取ることが重要です。

(4)計画修繕工事の発注方式

計画修繕工事の発注方式には、「責任施工方式」「設計監理方式」という方式があります。

責任施工方式は管理組合が主導で動き、業者を選定して、その業者に建物診断から施工まで責任を持って施工してもらうという方式です。建物の診断方法や施工条件設定、施工要領などがすべてコンペ参加業者にに委ねられ、選定された業者の方針で施工が進められます。管理組合に施工業者並みの知識等が求められます。

設計監理方式は、まずコンサルを選定し、そのコンサルを通して業者の選定から施工までを行います。コンサルは予め建物診断や設計などを行い、修繕設計図書などを基に公募、推薦等で業者を選定(管理組合の承認が必要です。)した後、コンサルの方針に従って施工が行われます。

2.計画修繕工事の進め方

計画修繕工事は、長期間にわたります。管理組合は区分所有者等への報告等をこまめに行うことが重要です。以下は計画修繕工事の流れの一例です。
  • 1).計画修繕工事実施の発意(総会等)
  • 2).理事会・専門委員会等による検討
  • 3).業務発注仕様書・見積り要領書の作成
       専門家の候補者の選定(調査・診断・修繕設計・工事管理ができる者)
  • 4).見積あわせ・面談・専門家選定案の作成
  • 5).(通常)総会の開催・決議
  • 6).専門家との業務委託契約の締結
  • 7).区分所有者等への説明会の開催
  • 8).調査・診断の実施
  • 9).調査・診断結果の報告(調査・診断書の提出)
  • 10).区分所有者等への報告会の開催
  • 11).修繕基本計画の作成・資金計画
  • 12).区分所有者等への説明会の開催
  • 13).修繕工事の時期・内容・資金計画方針の決定
  • 14).修繕計画
  • 15).見積り要領書の作成・施工会社の候補選定
  • 16).設計図書等の配布・現地説明・面談・見積あわせを経由して、施工業者を選定(案)
  • 17).区分所有者等への説明会の開催
  • 18).(通常)総会の開催・決議
  • 19).工事請負契約および工事管理業務委託契約の締結
  • 20).施工実施計画書の提出
  • 21).区分所有者等への説明会の開催
  • 22).修繕工事の着工
  • 23).工事監理・検査(設計変更、工事請負契約の変更)
  • 24).修繕工事の完了・完成検査・工事費用の精算
       工事監理報告書の提出・竣工図書・関係書類の引渡
  • 25).長期修繕計画の見直し
  • 26).アフターサービス(施工箇所の点検)

フローにするとかなり長い道程になってしまいますが、ここでの最大のポイントは2~6までの項目です。
ここを間違えてしまうと、次回の大規模修繕の計画が大きく狂ってしまいます。
では、どんなことを念頭に置いて専門家を選べばよいのでしょうか?

キーワードは、建物の老朽化と住人の高齢化 いわゆる「2つの老い」の進行だと考えます。

多くの場合、築年数が経過するほどマンションへの新規入居者は少なくなります。また、住民の転居や高齢化も進むため、ほとんどの管理組合で積立金不足に陥ります。年金暮らしの住民も多くなるため、積立金を増額するのも簡単ではありません。マンションの経年とともに細かな修繕も増え、積立金不足はさらに深刻となるでしょう。

残念ながら、今のところこの「2つの老い」の進行に対し、抜本的な解決策はありません。

多くの場合、築年数が経過するほどマンションへの新規入居者は少なくなります。また、住民の転居や高齢化も進むため、ほとんどの管理組合で積立金不足に陥ります。年金暮らしの住民も多くなるため、積立金を増額するのも簡単ではありません。マンションの経年とともに細かな修繕も増え、積立金不足はさらに深刻となるでしょう。

 

そうなる前に、「いっそのこと建て替えてしまえば」と思うかもしれません。しかし、現在の建替え成功事例のほとんどが、デベロッパーが参入した等価交換によるものです。これは、居住者が所有している土地を出資して、その土地にデベロッパーが新たにマンションを建築(出資)するというものです。
つまり、マンションの完成後に居住者とデベロッパーのそれぞれが、出資比率に応じて土地建物を取得する方法であり、居住者とデベロッパーの双方にメリットがないと成り立ちません。

それゆえ、デベロッパー側が住戸を売りにくい土地の場合は、交渉が難航することがありますし、管理組合で建替え決議が通ったとしても、デベロッパーが見つからずに建替えが行われないということもありえます。また、マンションの築年数が経つと、必然的に高齢の住民が多くなるため、何百万円にもなる出資の負担が、居住者の重荷となることも想定されます。

よって、ひとまず建替えのことは考えず、どうすれば末永く建物を維持することができるかに着目すると、限られた資金を、長期間に渡り、修繕の必要なところに、いかに過不足なく投入することができるかにかかってくると思います。

以上のことを踏まえて、

専門家を選ぶポイントは

1.大規模修繕工事の周期が、「12年以下」という固定概念をもった専門家を避ける。
2.修繕周期を伸ばせるような、品質の高い材料や施工方法を提案することができる
  専門家を選ぶ。
3.躯体のことだけではなく、設備のこともあわせて計画が立てられる専門家を選ぶ。

といった、1~3すべてに当てはまる専門家を選ぶことが重要ではないかと考えます。

大規模修繕における外部関係者の主役は、選定した専門家です。
そして、大規模修繕工事におけるマンション管理士の役割は、選定した専門家の力をあますところなく発揮してもらうため、陰ながらサポートすることと当事務所は考えます。
主な役割として、円滑な大規模修繕工事が施工できるように、理事会・修繕委員会の運営支援をはじめ、専門家選定の補助業務、施工業者選定の補助業務、総会運営の補助業務など、マンション管理士チームとして、トータルでサポートをさせていただきます。

3.サポート内容

1.理事会および各専門委員会の運営サポート
 ※1.スケジュール、資金計画等の提案、実施方式の検討などの運営サポートです。
 ※2.理事会および各専門委員会への出席し、各種提案等をおこないます。
 ※3.理事会および各種専門委員会での議事録作成のサポートをします。
 ※4.その他、必要に応じて資料等の作成や提出業務をサポートします。

2.専門家選定のサポート
 ※1.まず設計監理方式と責任施工方式の検討を理事会と行います。
 ※2.必要に応じてプレゼンテーションを実施し、理事会決議を経て専門家を選定します。
 ※3.総会決議が必要な場合は、議案書の作成や総会へ出席して議事運営のサポートします。

3.施工業者選定のサポート
 ※1.工事内容に応じ、施工業者選定の基準を選定した専門家や理事会と協議し、具体案を
    とりまとめます。
 ※2.業界新聞等の公募スペースや組合員その他の推薦等の方法により、見積参加業者を募集
    します。その後見積、ヒアリングを経て、最終的に施工業者を選定するサポートを
    行います。

4.総会運営サポート
 ※1.総会への出席にし、議会運営のサポートします。

5.工事期間内のサポート
 ※1.工事期間中、定例会議に出席して工事進捗状況の確認を行います。
 ※2.工事期間中の中間検査に立会い、予定どおりに実施されているか等を確認します。
 ※3.完了検査への立会いおよび工事増減清算業務への立会いを行い、最終提出書類確認等の
    サポートをします。


その他ご要望に応じ、各種サポートをいたします。

当事務所への
電話やメールでのご相談は無料です。
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